日記

 グループ展についての日程とか、メンバー構成についての連絡を画廊から頂いて、賑やかそうで吃驚したのだけど、狭い画廊に沢山作品をならべるようなので、展示作品の保護について不安になってきた。
で、小品なので額縁に入れるのがよいのではないかと思い、世界堂に行ったのだけど、なかなか自分のイメージするような額縁というものがなくて、というか額縁というイメージよりは作品の保護のためのアクリルケースのようなものがあればいいなと思っていたのだけど、注文生産のようなので今から頼んで間に合うのだろうかとか、そこまで金をかけるものなのだろうかとか考えてしまって、であればと一番額のイメージから遠そうな、箱にアクリル板をいれたようなものを選んだのだけど、底板にどうやって絵を固定すればいいのか分からなくて、店員さんにお伺いしたら、底板の裏から螺子を挿して固定するのだと教えてくれてこれまた驚いた。
 とりあえず、家に持ち帰って考えてみて、そういえば紐の結び方も分らないなということに気がついた。勿論、額縁を使うのは初めてではなくて、それこそ学生時代に、版画の展覧会をした時にも額縁を使ったこともあるし、画材屋でバイトしたときにも芸大出の店長、この人はシェル賞の受賞暦まであって、その作品が表紙に使われた週刊誌を大事にとっていて、私にもみせてくれたことがあるのだけど、それはここでは関係なくて、兎に角、店長としては厳しくて、絵の具を棚に並べる時のチュウブの持ち方とか、キャンバスの張り方とか、勿論、中学生のころから自分でキャンバスくらい張っているつもりだったのだけど、それでは売り物にならないということで、厳しく矯正されたりして、その人に額縁の扱い方とか紐のかけ方とか結び方もかなり厳しく教わったのだけど、思い出せないのである。
 ついでというか、この画材屋のお客さんには小林正人とか加藤学とかもいて、特に額装のために持ち込まれた加藤学のドローウィングについては、自分の同僚であったところのバイトの店員には妙に受けがよくて、嫉妬を感じたのを覚えていたりして、人間というものは、どうでもいいことばかりを覚えているものなのだなと改めて思ったりするのだけど、そこに自分の強い欲望なり願望なりがあったということなのかなという気がしないでもないのである。