日記

若い知人の参加している展覧会を観に、今まで行ったことがない画廊に、地図を頼りに行ったみた。
見方によっては、タイトでコンパクトで量産性の高そうな絵が並んでいて、勿論、最初からこんな風に描けるというものでもなさそうなので、絵がよく捌ける結果として、作品が量産されるなかで出来上がったスタイルなのだろうと思われて、ある意味羨ましくもあった。
自分がこの人の年齢の頃には、絵が売れるなんてことは考え難かったのだからしょうがないと、言い訳じみたことを、一旦は、考えてみたのだけど、よく思い起こしてみると、具象画を量産して捌いているような人たちもいたなと思い出した。
確か、年商3千万とか云う画家の話も聞いたこともあった筈。

それにしても、ボッシュブリューゲルレンブラント、あるいは、印象派以降の近代絵画や抽象表現主義でもなくて、かといって、雪舟宗達でもなくて、現代の商業イラストレーションを規範に、しかも、反抗としてではなく、当たり前のように絵を描くというのは、いったいどういうことなのだろうと、不思議な気がした。

アートなんて売れたところで、二流のデザイナーのレベルなのだから、好きなことをしなければ損といった、尤もらしい言を取っ払ってみせた人がいるというのが、大きいのかもしれないのだけど、やはり、違和感は感じたりする。