スカのベストセレクションの三枚組CDを五百円で見つけた。三十年振りに聴いていて懐かしい。八十年代に十代の子供としては、ロックミュージックは七十年代で終わっている感があって、同時代の音楽としてはレゲエやスカの方がリアルに聞こえたのだけど、その後、ダンス専科になって詰まらなくなってしまった。勿論ダンス音楽的要素がいけないというわけでもなくて、それこそ近世の西洋音楽もダンス音楽から複雑な拍子を貰っている訳で、それ自体は否定すべきことではないのだけど、それだけになってしまうと座ったり、寝っ転がったりして聴くべきものではなくなってしまうのであって、自分の生活習慣外のものになってしまう。消費され尽くしたブルースに代わるものになるのではないかとの、尤もらしいマニアックな大人の予想とは違う結果となったのは、テクノロジーの進歩や社会構造の変化を、それらの大人が考えることが出来なかったこともあるのであろう。
当時のイギリスにジャマイカからの移民が多くいたのは元宗主国故当然のことなのかもしれないのだけど、世界中の植民地からの移民がいたとすれば、凄い社会なのだなと改めて思う。