青山の画廊に阿部隆さんの個展を観に行った。
随分と以前から作品を拝見させていただいている画家さんで、いつから追いかけていたのか、思いだそうとしてるのだけどわからない。

ぼくの個展に、たまたまいらした画家らしき方と二言三言お話をして、その方がお帰りになった後、芳名帖を確認したら、阿部隆とサインがあって驚いたのを覚えている。その時点で、ぼくにとっては大きな存在であったのだから下手をすると20世紀に遡るのかもしれない。

絵も随分と変化をしていて、観る度に、置いていかれたような寂しい気持ちになるのだけど、それは同時に悦ばしい出会いであったりもする。 
確かに阿部隆さんの絵だし文句のつけようもなく素晴らしいのだけど、前にぼくが追いかけていた絵ではないのである、勿論、毎度のことではある。
憂鬱症のぼくは、絵の前で涙を堪えていて、すっかり呆れさせてしまった。恥ずかしい。