日記

綾瀬の公園で夕涼みをしていたところ、ベンチの後ろをすり抜けにかかった杖をついたおじいさんに、”こんばんわ”と声をかけられた。
もちろん、”こんばんわ”を返したのだけど、おじいさんはベンチの端をくるりとまわって、隣のベンチに腰をおろし、そこがお気に入りの場所であることひとくさりしたのちに、明日はタイサイ(大祭?)とのことで、太鼓のはなし、ギターもピアノもやるが、一番ながいことやってきたのは太鼓とのこと、もっとも、今は身体が悪いので止めてしまった、左手が遅れ気味になると、若い奴らがそれに合わせて遅れるからダメだと。
お話を聞かせて頂いていて面白かったのは、太鼓には譜面がないとのことで、口承はあるらしくて、”ヤー は休むってことだ、9年も教えたのに、それもわからねえ奴がいる”なんて仰っていた、機会があれば葛西囃子を聞いてみたいものだと思ったのだけど、その為に、お祭りの人ごみに入ることを考えると、きついものを感じる。
尤も、おじいさんがいうには、最近は神輿の担ぎ手も少なくて、他所からの応援がこないと神輿も上がらないらしい、なんでも最低八十人の人間が必要で、女では背がたらねえとか、それに警察に停止させられても喧嘩になることはないとのこと、ということは、以前は警察と喧嘩してたのだろうかと疑問を持ったのだけれども、余計なことを訊くのは控えさせていただいた。