90年代には、ルシアン・フロイトやらドナルド・バチェラー(画風を真似た日本人画家の方が売れているようなのだけど、絵としては本家の方が上だと思う、太い線で画かれた形象の導く奇妙に錯乱した印象、潔癖感と不浄感の同居したような絵は、他に代え難いものがあった)、マーティン・ディスラーやらの人体表現が魅力的に見えた。或いは、1870年代のルノアールの絵を見直して、こんなにも魅力的な絵だったのかと、思った覚えもあるのだけど、最近、西美でロダンブールデルを見て少し冷めた想いを感じた。ブールデルなんて、それ以前、十代の頃から好きで、八重洲口の美術館にはペネロープ見たさで何度も足を運んだ覚えもあるのだけど、どうしたものか。