適度に混雑している電車内となりの座席に座った女性が正面に立っている男性と会話をしていて、感染症に気を使ってすっかりと静まり返っている車内のせいか、その声が耳にさわる。男性はなにやら大学の教員らしい、女性もそのようである。
学生に教職の科目をどうやって落とさせるか、そんな、話をしているようであって、聞き流せなくなった。
自分が学生の頃、単位を落とすのは自分の怠惰の結果であって、教員側は仕方無く(消極的理由に基づいて)単位を出さないものであるという思いこんでいた。
また、教員の指導できる範囲は教科ごとにどまっていたものと思っていた。
しかし、この二人の会話は、教科をまたがって学生が資格を取れないように画策しているようにしかとれなくて、しかも二人だけなら兎も角、他の教員の名前まで出てきて組織的かつ積極的なのである。
生徒の人間性に問題があるのだろうか。
それとも資格を与える数に人数制限のようなものがあるのだろうか。
たしかに二人は学生について多くのことを把握しているようで、誰と誰は交際しているが長くは続かないだろうとか、誰それは運動部でキャプテンをしているがどうのとか、髪の毛の色が前は✕✕であったが✕✕に変わったとか、希望どおり日本人が何人増えたとか、
恐ろしく管理的なのだ。
中学校か高校の教員なら兎も角、その会話に出てくる学生の年齢(そんなことにまで会話が及ぶ)は大学生のそれだったりする。
時代が変わったのか、それにしても電車のなかで大声ではなしていい内容なのだろうかという疑問もあったりする。