あっさりとアルベルチーヌが死んでしまった。あとはエッセイみたいになるしかないのではないかと思いきや、そんなこともなく、話はすすむようだ。アルベルチーヌという対象が“私”からとても遠くに感じられながら読んでいたのだけど、それでもあっけない死は少し驚いた。
ある種の緩慢さには覚えがあって、多分、他のジャンルの表象空間において感じたものなのだと思いつつ、それが直には出てこない。反時代的であるという理由にて遠ざけきたつもりだったのだけど、今となってはどうでもいい。