・ソダーバーグは東映の怪獣映画(?)マタンゴを少年時代に観て、ショックよりキノコを食すことができなくなったとか、もっともらしい話があり、こともあろうに本人までも肯定していた。しかし自分がキノコを食べられない理由、必ずしもキノコにこだわることもないのだけど、自分が何かが出来ない理由はコレであるなどと分かった時点にて、克服可能なのだとするのがフロイトに始まる精神分析学なのであって、ソダーバーグのエピソードは何やら怪しげに感じられる。要は始めに精神分析ありきで作られた/作ったエピソードのように思われるである。マニアックな映画を作る監督が子供のころからマニアックな日本製の映画を観ていた、日本でプロモートするにはもってこいのエピソードではあり、大人であってもマタンゴをしっているだけでも日本のファンにとっては充分なのでないかとは思う。といって自分は熱心なファンとも言い難いのだけど。
・モネであれ、セザンヌであれ写真を使っていた。しかしセザンヌの写真の用い方は、画面を、いたずらに濁らせていて、モネのそれに比較すると些か不器用に見えてしまうのだけど、あるいはドガも写真を用いていた、何れにせよこれらの画家の成果物は肯定的に鑑賞可能なのだけど、その後の写真を教師にしたような作家の作品には肯定できる要素が少なくても、どうしたものかと思う。色彩を混濁させる方向であるのが問題なのかもしれない。