雑記

・とりあえず、自分は働かなければ生活を建てることができない、これは窮屈で生きにくい人の世からのがれることが出来ないということである。当たり前のことかといえば、決してそんなこともなくて、世の中には、世間体の為に、働いている人や、働いてる振りをしてる人もいて、大人になっても絵を描いる人の大部分は、そんな人であったりする。だからこそ人でなしの域に心を遊ばせることが出来るのであろうと、羨ましく思うのだけど、そんな輩に仕事をしているうちは、絵なぞ描けるわけがないと言われると腹もたつ、てめえらこそ人の真似をして、インチキな域をつくろうなどと思ってくれるなとか、心底思ってもいないのに、申し訳無さそうに貧乏面をしてみせるなとも、言いたくなるのである。
窮屈な人の世で暮らさねばならない自分が、人の世から逃げ出すことを夢みて通勤電車から降りて古書店によると、都合良く、人の世からの出口を記した、犯罪小説の山があったりして、何故かその殆どが英米国産であったりする。また、古くはその翻訳を手掛けているのが詩人であったりして、人でなしの振りをしていながら、実は人であった詩人というものもいるのだなと安堵の気持ちもあったりする。
エド・マクベイン二冊で二百円、“警官嫌い”は、何がおもしろいのかわからなかったのだけど、“夜と昼”は、架空の街アイソラの複数の場所で起こる複数の犯罪を追う複数の刑事の姿を同時進行的に、なおかつ誇張を交えずに淡々と描いていて、さながら十九世紀のリアリズム小説のようであったりして関心した。

・大塚善章 BE AMBITIOUS
聞き流していて、ミッシェルだと気がつかなかった、ラウンド・ミッドナイトは分かった。曲の崩し方のキマリというようなものがあるのであれば知りたいと思う。

・玄関で遊んでいた黒犬に、お休みと声をかけたら、自ら寝床へはいっていった。どの程度言葉を聞き分けているのか不明なのだけど、照れくさいなどと思わず、とりあえず声をかけるべきなのだろう。