雑記

2010年から目をつけていた、というか気に留めていた坂田明の‘ひまわり’が、先週の半額の5百円になっていたので購入した。ブックオフの傾向としてジャズに関しては邦人の作品には高い値段をつけるようだ。メディアへの露出度の高い人であったので、それこそ自分が高校生のころから顔形は知っていたし、断片的には、演奏を聴いたことも多々あったのだけど、このCDは収益金をチェルノブイリの子供達に寄付する名目で、企画されたとのことでか、多くの人にうったえるものを目指しているようで、かといって媚びへつらうわけにもいかず、真摯といえば真摯なんだけど叙情的かつ重い。’死んだ男の残したものは’なんて武満の酒場唄にへんなパーカションが入るのでアイロニーとして聴くこともできないではないけど、やはり笑えない。早春賊のピアノの音の重ね方なんか綺麗で、サックスの音との関係が聴き起こせられるように成りたいと思ったりする、自分はそのレベル。結果としてどれだけのお金を集めることができたのか気になる。しかし、中古で購入した人間がこんなことを書くこと自体、冷やかしになってしまうし展覧会の内覧日的で、こういう時にこそフォーマリスティクに自分と対象を解体してみせる能力を持つ人が批評家さんなんだろうと思わないこともない。