日記

”実質成長率は高い方がいいに決まっている。名目成長率で議論すると、インフレ期待を持つことになる。しかし、インフレは国民が一番きらう。実質成長率の「上げ潮」は賛成するが、インフレに期待してものごとを解決しようっていうから、「悪魔的手法」というのだ。”(http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/m20071012006.html)与謝野がこのように言っているということは官僚にもこういう意見の人が多いということだろうか? 

国民全てがインフレを嫌っているかどうかはわからないけど、資産のない私のような人間はインフレは嫌だろうと思う。収入は大して上がらないのに物の値段はあがることになるからだ。しかしながらインフレになれば、国の抱えている借金は相対的にみれば軽くなることになる。だから学者のような人のなかにはインフレに誘導することを主張する人もいる。というか学者とは言わなくても政界一の資産家(もの持ち)である麻生はインフレに期待するかのような発言をしていて、たしか、2%ぐらいのインフレが好ましいとインフレターゲット論者と同様の数字をあげていた(この発言をしたとき、あたまの片隅にでも秋葉原で彼への熱狂的な支持を訴えた若者のことがあったのだろうかと思うと複雑な気持ちになるのだけど、政治とは非情な世界なのだろうとも思う)。仲のよいことになっている二人でも微妙に考えに差があるように思えたのだけど、今や麻生は何をやっているのかもわからない人になってしまった。
大雑把に考えると、人々が物にたいして欲望をもつとインフレになり、お金にたいして欲望を持つとデフレになる。そう、お金それ自体が欲望の対象になりうるのである(ここで注意すべきことは”紙”や”金属”というそのマテリアルへのフェチシズムとの区別である)、とここで戯れに驚いて強調してみせるのは、此処が、抽象絵画がわからないという人に対して、抽象絵画が成立することの説明になりうるのではないかと考えたからである。