日記

画廊で話をしていたら、”今時、抽象画を描いている奴なんて、世間的にはキチガイみたいなものだ、マンガの絵のほうがまだマシ、”と云うことをいう人がいた。この人も抽象画を描いている人なので、自分の置かれている状況を冷静な目で、他者の側からみての発言であろう。この人は画廊で働いていることより、見極めがきくのである。更に、抽象でも明るくて模様を描いたような絵であれば、まだマシであるとのこと、あるいは日本的な抽象、恐らくは封建社会の襖絵など室内装飾を模したものはまだ需要があるとのこと。要は、絵画とか芸術いうメタレベルが事実上存在していないと云うことであるのだろう。マンガor装飾、欧米の先端的(?)なシーンにおける自己解体の名目の基(市場の活性化のためという側面もある)に、都合よく借用されたり参照されたりする非芸術が、芸術以前の状況において、芸術に変換されることなく扱われているということなのであろう、ウォーホルあたりからは、こういうことも有り勝ちなのである、しかしながら、こういう状況に対して説教を垂れたり、愚痴を言ったりするのもなにかうそ臭いものを感じる。それは、自分が絵を描きたいというわがままのために世界を作り直せと言うようなものなのだ。
そういえば、クールジャパンの紹介の記事において日本のポップカルチャーのなかに、マンガ、アニメと一緒に現代アートもカテゴライズしている記事を見つけた。なにかを意図してのものか、それとも記者の無知によるものか。