二十年前に取り掛かり、そのくせ、忙しさにかまけて、中断していたことを再開した。
当時は、大きな資本の下に入って、資源を思う存分使って、そのくせ俗な制作しか出来ていない、浪人時代の同級生を見て、自分ならもっと貧しい資源で気の効いたことができるのではないか、鼻を明かしてやりたいと、不純な動機と思い上がりがあった。
既に相手は舞台から退場してしまっているし、此方も若年者故の思い上がりは失っている。
しかし、毎日、数時間、淡々とキーボードを打つのが、意外と楽しい。絵画でも彫刻でも文章ではない何か、最終的に何が出来るのかはみえていない。