HankMobleyのThreeCoinsInTheFountainのどこか、ふっきれたような、いい意味で思い残すことのないような響きが好ましい。他の人の演奏も聴いた覚えがあるのだけど、誰のものであったかおもいだせない。録音されたのは自分が生まれる前の筈で、そんなにややっこしい音楽でもないし、軽く吹き流している感じなのだけど精神衛生上よい。そもそもが何ごとにもあまり多くことを期待しないことがよい。
ロンドンブーツという漫才コンビがいるのだけど、自分は昔のHRの人達が履いていたというロンドンブーツ自体を見たことがなくて、テレビの視聴者は見たことがあるのか疑問であったりする。もしかしてファッションとしてリバイバルしたりしているのだろうか。因みにもの自体は見たことがないのだけど、なにかとてもカッコ悪いものというイメージがあり、このイメージが広く共有されて漫才コンビの名前になっているという認識でよいのかと不安を感じることもなきにし非ず。今はどうかわからないのだけど、音楽雑誌を持って美容院に行くという冗談を言い合ったことが20代の頃あり、多分この感覚はコスプレを笑う感覚に通じるものではないかと思う。音楽であれアニメであれ、ある領域内で楽しんでいるうちはいいが、その領域を超えてしまう人には危うさを感じるという話であれば、ドン・キホーテはそのまま、コスプレに興じる郷士のイタさを笑う話であったと、しかしながらセルバンテス自身は、ドンキホーテに随分と肩入れしていて読んでいる方が照れてしまった覚えがあるのだけど、随分と以前のことなので、読み返したら、また違うそれこそボルヘスが楽しんでいるように楽しめるかもしれない。しかし、町中をアニメのキャラの扮装でウロウロしている人たちが日常化している時点で賞味期間切の可能性もあるのかな。
自分は勝手に鬱病なので世相には疎いのだけど、冷静に考えてみて、長引くデフレ不況の中、昨年の震災やら政府の宣言とは裏腹に未だに収束の目処のたたない原発事故で世の中はかなり凹んでいるようで、其れにお構いなしに進む世界経済圏のブロック化があり、FTAとかTPPとか特定の国同士、あるいは複数の国家塊内の関税の撤廃は十年前に騒いでいたグローバル化とは若干ニュアンスが異なるらしい、日本のエネルギー自給率は4パーセントとなれば選択肢はないと、自分と同世代の人間であれば世界不況後のブロック経済政策といえば、とてつもなく暗い印象しかなくて、今度はしくじらないで欲しい、なんといってもエネルギー自給率は4パーセント、隣国中国にはエネルギーはなくてアメリカとの関係は切れないだろうと思うのだけど、そんな中で自分が生きられる場所を確保できるかとここが問題。取り越し苦労であって欲しいと願うばかり。