「彼はいつも同一の人物、弱々しく貧乏でどこにも帰属する事の出来ない若者を演じています」
「彼は青年時代の印象から離れる事ができず、いつも青年時代の欠乏と屈辱の補償を求めつづけているのです」
フロイトチャップリン観。
小此木啓吾は1977年の参議院選挙について書いている「どの党派か、何らかの組織かに帰属観をもつ人々と、そのような帰属観のない、いわば無党派・無帰属の人々に、国民を色分けした点に、一つの社会心理学的な意義があった。しかも、選挙の趨勢が、むしろ無党派人間たちによって左右され、彼らの方が多数派になろうとしている事実は、われわれの日常心理を無意識のうちに支配する「社会的性格」を探る一つの手がかりになりそうなのである。」