雑記

・青年期には統合失調症は身近にあり、常に恐怖の対象であったので、木村某や中井某の著作の多くは恐怖を克服するために読んだし、医者に相談にのって貰ったことも幾度かあるのだけど、結局自分は罹患したことはないのである。
人生の一番楽しい筈の期間を下らないことのために、びくびくと過ごしたことについては、後悔するべきなのか、それとも慎重であった自分を評価するべきなのかわからない。
なんといっても、百人に一人は罹患する病気であって、恐ろしい破瓜型でもなければ、医者にかからず、当たり前のような顔をして社会生活を送っている人も幾らでもいるのである。
この病気に罹患する人の病前性格であるところの極端な権威主義と先取り気質、疲れ知らずのパーソナリティは、 少し前には先端産業と云われていた分野には最適で、また、大きな会社は一度雇用した人間を解雇することが難しいので、その方面の会社は、意外と多くの無自覚の病人をバッファリングしているのではないだろうかと考えると、おもい当たる節も多く、もう少し無茶をして罹患したとしても、自分の苦しみは他にして、配偶者には楽な生活を送らせることもできたのかもしれないと思うと、やりきれないものもない訳でもない。