訳あり物件

 昨年の10月に殺人事件(http://d.hatena.ne.jp/nuj-a/20091024)のあったマンションの前を通ったら、事件のあった部屋に人が住んでいるようで、窓の中にTシャツが干してあった。
そもそもが、犯人は証拠を消すために部屋に火をつけたとのことで、昨年ドタバタ後に通りすがりに見たときは、窓ガラスは割れていて、窓の周りの外装もすっかり焦げていて、見るからに忌まわしげな様子だったのだけど、外装はすっかり直してあるようで、あの部屋ではなかったかなと自分の目と記憶を疑ってしまった、ひょっとして、現場は2階ではなくて3階だったのだろうか。
 訳あり物件なんて言葉だけ聞いていると、少しうらやましいというか、そんなに家賃が安くあがる部屋に引っ越してみたいという気にもなるのだけど、実際に目のあたりにすると、いかにも恐ろしげで、自分には住む勇気はなかったりする。ただ、そこで人が乱暴されて殺されたというそれだけのことなのだけど、一体どうしたものなのか。この実在しないにもかかわらず”私”に何か働きかける存在を表象にかえようとすると、いわゆる”幽霊”というものになるのかと思う。ちなみに”妖怪”というのは生きている存在ということらしい。