エグルストン

なにもエグルストンでなくてもいいのだけど、カラー写真においては、色彩という中間物が介在させられて、何かの成就が遅延させられている感じがあって、それがなにやら気だるく思えたりすることもあったりして、縮減感が強く速度感のあるモノクロ写真とはここのところが決定的に異なるように思えたりする。
この特性を強調するような方向に進むと、なにやらクローズアップで対象を破壊して色彩と影を取り出すような写真を量産することになるようで、結果として、その綾が、モダーンな抽象絵画に似てくることもある。産出された写真をみていると、抽象絵画が間違っていたわけではなかったのだなと、不思議な安心感を覚えたりする。
しかし、エグルストンについては、比較的、引き気味に撮影されたアメリカ南部の風景に惹かれるものを感じたりすることもあって、この写真家について、書かれたものを探しているのだけど意外とみつからない。