・近所の小さな古本屋に行ったら、随分と専門的な美術書が沢山入っていた。近所に生息するそういう方面に多大な関心を持っている人が、金に困って纏めて売ったということだろうかと一瞬考えたのだけど、時世が時世であることだし、改めて驚くべきことでもないだろうと思う。
・今頃になって、ルシアン・フロイドの絵を3360万ドル(約35億3700万円)という、存命する作家の絵画として史上最高額(2年前の話、その後この記録?が破られていないのかどうかはわからない)で購入したのが、サッカークラブのオーナーで有名なアブラモヴィチだということを知った。
この画家の絵は大学受験生の頃、”真似しても大丈夫(予備校の講評で評価をえられるかな)かな”とか友達と言い合った記憶があって、そのくらい普通に見らうる絵なのであって、この地表上には透視図法的な空間を表象した絵を平気で描く画家やそんな絵を高値で購入する人もいて、一方で浅い視覚的にしか入っていけないような空間を表象した絵や、イメージのイメージを描くような絵もあったりする、勿論、それらを高値で購入する人もいてのこと。
幸か不幸か、結果として交換の対象とならないような作品を作ってしまった作家が(大概の画家はそんなものだと思うのだけど)、みな最後の審判に期待を寄せるかの如くルサンチマンをこめて美術史を語ったり、そのような感情を代弁するかのような批評家に同調するのかといえば、そうでもないのだろうと思いたいのだけど、実際のところどんなものなんだろう。
・国技の世界では、随分と都合よく大関候補が現れるものだと思う。