日記

あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫)、 中高年の男性の内面の荒み具合の凄さというか、ある種の退廃というのは、本人的には心地よかったりもするのだろうと、あるいは、心地よさにひたっている状態というのは、実はどうしようもなく荒んだ状態ということなのかななんて言い出すと、メメントモリみたいな話になってつまらない。物語的は、経済の停滞した90年代という固有の時代と固有の場所、日比谷線とか外神田、秋葉原、とかそこら辺りを扱っていて、それだけで、自分としては充分引き込まれてしまった。
ひかがみは著者の他の文庫本にも収録されていたと思う。