犬は此方が提示したルールを受け入れた。コツとしては此方もそれなりに夢中になって遊ぶことのようで、こちらの仕草やら表情を見ながら、自分がどう振る舞うべきか決めているようだ。投げ出したボールを一生懸命追いかけて咥えて帰ってきて、僕の足元にボールを落とす。しかしながら、ボールを落とす場所を少しずつずらしたりして、犬は犬なりに此方をコントロールしようとしているようで、時にはボールを落とす素振りをしながら実際にはボールを離さず、此方をじらしたりする。あるいは、ボールをはなさずに此方の脇を、駆け抜けようとする。オシムなら叱るだろうかと考えて、いやパスのだし先がないのであれば振る舞いとして、キープすることもありかとも思いなおす。