日記

 秋葉原の中古カメラ屋についてネットで記事を見かけたので、足を運んでみると見事にデジカメとその関連品しか置いていなくて、探すまでもないことなので、上野まで歩いて常磐線に乗るつもりで歩き始めたのだけど、何故か隅田川に突き当たってしまった。左折して川沿いに歩いていくと、見覚えのある建物がポツポツと夕暮れのなかに出現し始めて、浅草の辺りに自分がいるということが判った。
 ボーリング場の前で年配の方が、LUMIXの一眼レフを構えていて、下がったり、前進したり、結構気難しそうにしていて、脇を締めて肩を上げ首を傾け目元に皺を寄せた、その姿がなかなか様になっているようで、自分がカメラを持っていたら、間違いなくこの人の写真を撮るだろうと思ったのだけど、問題は時刻であって、どうも自分は夕暮れには焦点を合わせることができないのではないかと思い始めている。



 灯台下暗しと言っていいのか、ホルベインのページで以下の記載を見つけた。酸化よりも硬化に紙がついていけないとのこと。
自分は別にホルベインの人間でもないし、絵の具屋を灯台に例えるこの用法は、やはり誤りなのかと、考え始めるとややこしくなってしまって、きっと、明日にでもなれば、頭の中も澄んで、そんなこと当たり前だろと言えるようになることを期待する。

 

http://www.holbein-works.co.jp/technical_info/2008/10/ha.html

Question.
紙に油彩で制作しようと思うのですが、紙に描くと油を吸った紙が経年変化でぼろぼろになると聞きました。しかし著明な作家の作品にも、紙に油彩で描かれたものがあります。あれらはどのようにして描かれているのでしょうか。油彩用の紙があるのでしょうか?

Answer.
紙上油彩制作は、何らかの処置を施せば可能で、それ用の市販品が存在します。紙が油を吸って経年変化でぼろぼろになるのは事実です。一般には油の脂肪酸による腐食として説明されていますが、酸性紙のような硫酸根を有する訳ではありませんから油の酸ごときであれだけぼろぼろにはなりません。むしろ油の硬化後の剛性に画面が追随できず、紙自体の脆化で崩れるものと思われます。そのため薄い未処理の紙は不適です。画用紙程度の厚さでも、作品を持ち上げたらパリッと崩れたと云う事例がありました。厚ければそれ自体の強度で保ちます。ボール紙への油彩制作が残っているのはその理由によります。ただ多くの場合、油が滲み込んで画面が全体的に汚らしく発色しています。水彩画(洋画)の場合、欧州ではかなり強くドーサを引きます。これが遮断層(絶縁層)として機能し、帆布に膠で目止めを施して油彩制作する理屈と全く同じ構造になっています。これだとその上に油彩制作しても現実には耐えます。多くの作家の作品の残っている理由はこれでしょう。ご自分でドーサを引いても構いませんが、和紙用のドーサだと明礬(みょうばん)が入っていますのでこれも適しません。膠液を自分で調合するのが一番ですが面倒です。 最近では下記の製品が入手できます。 キャンソン製「フィゲラス(Figueras)」などがそれです。他社からも類似品が出されていると思いますのでお近くの画材店にお尋ね下さい(画材店に紙の業者のカタログが常備してある筈です)。