日記



数日前、NHK森山大道の特集番組を流していた。
もちろん、私でもこの人の写真くらいは観たことがあるのだけど、なかなか興味を持って吸い寄せられていくという対象ではなくて、いつも遠目に見ているといった感じで、決して詳しくなかったので、よい機会だからとTVをつけっぱなしにしていたのだけれども、途中で飯を食い始めてしまったりとか、雑事をはさんだりとかで、結局、いくつかの断片的な映像を覚えているだけなのである。
その中で、正月に私も行った立石の街を、GRを片手にもって、歩いているシーンがあって、更にこれまた正月に写真を撮った呑んべ横丁で、シャッターを切って、恐ろしく、普通のコメントをしていた。
あまり、構えた様子でもなくて、普通にパシャっとシャッターを切っていた。
私は、60年代の終わりぐらいから70年代にかけての、破壊的というか文化自殺的なイメージにこの人をリンクさせていたのだけれども、そんなものではなくて、この人本来の性質がこうなのであって、もともと何かが欠如した人なのではないかと思うようになってしまった。勿論、だからいけないとかそんな話ではなくて、それはそれでいいと思うし、自分も含めて、たいていの人は何かを欠如しているのだと思う。